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column 2026.04.06 約8分

【タイ生活と法律】タイで運転するには何が必要?|国際免許・タイ免許・事故のリスクをやさしく解説

タイで車やバイクを運転する日本人向けに、国際免許の扱い、タイ免許の取得方法(2026年最新)、日本との交通ルールの違い、事故・保険の注意点を実用的に解説します。

【タイ生活と法律】シリーズ第5回です。前回は税金をお届けしました。今回は「タイでの運転」です。「国際免許で大丈夫?」「タイの免許、どう取る?」「事故を起こしたらどうなる?」——タイで運転するすべての方に知っておいてほしいことをまとめました。


1. 国際免許でタイは運転できる?

結論:はい、運転できます。ただし条件があります。

日本で取得できる国際運転免許証(IDP:International Driving Permit)を使えば、タイで運転することができます。ただし、以下の点を必ず押さえてください。

チェック項目内容
日本の免許証原本と一緒に携帯IDPだけでは無効。必ず日本の免許証原本とセットで持ち歩く
有効期間は発行日から1年日本ではJAF等で取得可能
タイ滞在90日を超えたらIDPでの運転は90日が目安。それ以上の滞在にはタイ免許を取ることが強く推奨される
日本の免許証だけではNGIDPなしで、日本の免許証のみでのタイでの運転は認められない

「1949年版IDPはタイで使えない?」という疑問について

タイは1949年ジュネーブ道路交通条約と1968年ウィーン道路交通条約の両方に加盟しています(2020年5月に1968年条約を批准)。日本は1949年条約の加盟国ですので、日本のIDPはタイで有効です。

バイクは別免許

車のIDPを持っていても、それはバイクには使えません。バイクに乗るには、バイク(自動二輪)のIDPまたはタイのバイク免許が別途必要です。「車の免許しかないのにバイクに乗っていた → 事故 → 保険無効」というトラブルが非常に多いため、注意が必要です。


2. タイ免許を取るべき人

短期観光ではIDPで十分ですが、次のような方はタイ免許の取得を検討しておきたいところです。

  • 90日を超えてタイに滞在する方(駐在員・帯同家族・ロングステイヤー)
  • バイクに乗りたい方(車の免許とは別に取得が必要)
  • 保険の面で安心したい方(タイ免許保持者の方が保険対応がスムーズになる傾向がある)

タイの免許はASEAN域内の他の加盟国でも認められており、旅行時にも役立ちます。


3. タイ免許の取得方法(2026年最新)

必要書類

  • パスポート(原本+コピー)
  • ビザのコピー(観光ビザでは受付しないDLT事務所も多い)
  • 在留証明書(Residence Certificate)— イミグレーション窓口または在タイ日本大使館で取得
  • 医療証明書(タイの病院・クリニックで発行。申請日の30日以内のもの)
  • 日本の運転免許証(原本)+公認翻訳またはIDP
  • 証明写真

試験(2025年以降の最新要件)

筆記試験が全員に義務化されています。

試験内容詳細
問題数50問(択一式)
合格基準45問正解(90%) ※旧基準75%から引き上げ
試験言語タイ語・英語
内容交通法規、道路標識、安全運転

合格基準が大幅に引き上げられ、不合格者が続出しています。事前にDLTのサンプル問題集で練習しておくことをお勧めします。実技試験を求められるDLT事務所も増えています。

手数料(2026年)

免許の種類手数料
暫定免許(2年)車205バーツ
暫定免許(2年)バイク105バーツ
5年免許 車505バーツ
5年免許 バイク255バーツ
在留証明書(別途)約300〜500バーツ(イミグレーション)

生体認証・所要時間

DLT事務所では指紋10本・顔写真・虹彩スキャンの生体認証が行われます(約12分)。申請から取得まで半日〜1日見ておくとよいでしょう。

予約・更新

DLT事務所は予約制が増えています。DLT Smart Queueアプリでの事前予約が推奨されます。また、2026年6月からは55歳未満で免許失効12か月以内の方を対象に、オンラインでの免許更新が可能になる予定です(DLT発表)。


4. タイの交通ルール — 日本との違い5つ

テーマタイのルール日本との違い
通行区分左側通行・右ハンドル日本と同じ ✓
制限速度市街地50〜60km/h(バンコクは原則50km/h)、幹線道路90km/h、高速道路120km/hおおむね日本と同じか遅め
赤信号での左折標識で許可されている交差点ではOK日本にはないルール。標識の確認が必要
飲酒運転の基準血中アルコール濃度0.05%以上で違法(免許取得5年超)。5年未満・20歳未満・暫定免許保持者は**0.02%**と更に厳しい日本(0.03%)より基準は緩い面もあるが、外国人の飲酒事故は厳しく扱われる傾向
バイクのヘルメット着用義務あり(Land Transport Act)義務は同じだが、取締りの強度は地域により大きく異なる

5. 事故を起こしたら — 絶対にやるべきことリスト

タイで交通事故に遭ったとき、焦りから「その場で示談」してしまうケースが後を絶ちません。これは絶対に避けてください。

やるべきこと(優先順):

  1. 警察に通報:191(一般)または 1155(ツーリストポリス)
  2. 保険会社に連絡
  3. 現場の写真を撮る(車両・路面・相手の免許証・車のナンバーなど)
  4. その場での示談はしない(言語の問題+法的リスクがある)
  5. 領事館・弁護士への相談(重傷事故・逮捕の可能性がある場合)

無免許・IDP不携帯だった場合

無免許や有効なIDPを持たずに運転していた場合、保険金が支払われない可能性が高くなります。罰金は500〜1,000バーツ程度ですが、保険が使えなくなることの方がはるかに深刻です。

刑事責任について

タイでは交通事故による過失致死・致傷は刑事罰の対象となりえます。「外国人が加害者」の場合、出国禁止になるケースもあります。


6. 保険の話 — フルカバー保険に入っていますか?

保険の種類内容
強制保険(พ.ร.บ.)全車両に義務。補償範囲は人身被害に限定的。最低限の補償のみ
任意保険 1st Class(フルカバー)対人・対物・自損・盗難など広く補償。強く推奨

バイクの場合、保険なしで乗っている外国人が非常に多いのが現状です。事故の際に全額自己負担となるリスクがあります。

重要: IDPやタイ免許を持っていない状態で事故が起きた場合、保険会社が免責を主張する根拠となりえます。有効な免許の携帯は保険請求の前提条件とも言えます。


7. まとめ — 3つのルール

ルール内容
① タイに90日以上いるならタイ免許を取るIDPは短期向け。長期滞在者はタイ免許が安心
② IDP or タイ免許なしで運転しない保険が効かない可能性がある。バイクは車と別免許
③ 事故の現場で示談しない警察(191/1155)と保険会社に連絡を

「タイの運転は怖い」と感じる方も多いかもしれません。ただ、正しい免許と保険を揃え、基本的なルールを知っておけば、タイでの運転は日常生活をぐっと豊かにしてくれます。


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この記事は2026年4月時点の一般的な情報をまとめたものです。交通法規や免許の手続きは変更される場合があります。最新情報はDLT(陸運局)公式サイトまたは在タイ日本大使館にご確認ください。本記事はタイの法制度に関する一般的な情報提供を目的としており、タイ法に基づく法的助言を構成するものではありません。具体的な案件については、タイの弁護士資格を有する専門家にご相談ください。当事務所では提携先JTJBのタイ人弁護士と連携して対応いたします。

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